VPP プロセス フローの詳細

はじめに

企業や教育機関は、VPP (Volume Purchase Program) を利用することで、一般に公開されている iOS アプリケーションや特別に開発されたサード パーティ製 iOS アプリケーションを、組織のデバイスに配布するために一括して購入することができるようになります。このプログラムは Apple 社独自のものです。VPP による展開には、注文ベース方式 (引き換えコード) とライセンス ベース方式 (管理配布) の 2 種類があります。管理ユーザーを登録する際には、組織のニーズに合わせて、教育機関向けかビジネス向けかを選択してください。

VPP への登録

Apple 社の VPP を利用し始めるには、まず有効な Apple ID を作成する必要があります。企業のお客様は http://www.apple.com/business/vpp/ で、教育機関のお客様は https://volume.itunes.apple.com/jp/store で、Apple ID を作成してください。必要な情報を入力し終えたら、Apple ID のセットアップ完了に必要な手順を示すメールが Apple 社から届きます。

VPP の種類

Apple 社は、組織のニーズに合わせて 2 種類の VPP を提供しています。企業はビジネス向け VPP を使用し、ビジネス向けアカウントを作成できます。教育機関は教育向け VPP を使用し、教育向けアカウントを作成できます。

ビジネス向けアカウント

ビジネス向けアカウントの登録には、D-U-N-S (Dun & Bradstreet) 番号、企業の連絡先情報 (住所、電話番号、E メール)、税務登録情報 (日本の場合は不要) を Apple 社に提出する必要があります。登録プロセスにおいて、Apple 社によるこれらの情報の検証が完了すると、貴社専用の特別な Apple ID を作成することができます。Apple 社との通常のやり取りに使用される個人用 Apple ID と異なり、この Apple ID は VPP 専用のものです。配布するアプリやブックを購入したり、カスタム B2B アプリケーションの配布を容易にしたりするためだけに使用します。

教育向けアカウント

学校などの教育機関の場合、登録プロセスは若干異なります。登録プロセスを開始するには、教育機関の管理者や IT 責任者の方が、個人の Apple ID を入力する必要があります。事前に専用の、この目的のためだけの Apple ID を作成しておくことを推奨します。この管理者/IT 責任者は続いて、組織の連絡先情報 (住所、電話番号、Gmail や Yahoo メールなどのフリー メールではない組織用の E メール アドレス)、上司/代表者の情報、税務登録情報 (日本の場合は不要) を入力する必要があります。この情報は Apple 社によって検証され、情報の提供者が VPP アカウントの登録/管理を行うに足る権限を持っているかどうかの確認が行われます。

VPP 利用のステップ

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登録

Apple VPP への登録は、ビジネス向けの場合は http://www.apple.com/business/vpp/ で、教育向けの場合は https://volume.itunes.apple.com/jp/store で行います。登録プロセスの途中で、いくつかの情報を入力する必要があります。

  • 企業の場合は D-U-N-S (Dun & Bradstreet) 番号。
  • お客様の組織 (教育機関または企業) に関連付けられた住所、電話番号、E メール アドレス。
  • お客様の組織が属する国/地域に応じた税務登録情報 (日本の場合は不要)。

これらの情報は Apple 社によって検証/確認されます。登録プロセスが完了すると、作成された Apple ID を使用して VPP アカウントにアクセスできるようになります。

セットアップ

教育機関の場合、登録プロセスが完了すると、その教育機関により Apple VPP プログラム マネージャとして参加する権限を付与されたユーザーは、教育向け VPP サイトにログインできるようになります。プログラム マネージャは、新たに作成した Apple ID を使用して、プログラム ファシリテータのアカウントを作成することができます。プログラム ファシリテータは、教育機関を代表してアプリやブックの購入を行うアカウントです。

購入

VPP ストアでは、アプリやブックの購入プロセスを効率的に進めることができます。

  1. https://vpp.itunes.apple.com/jp/store を開きます。
  2. 登録プロセスで作成した VPP Apple ID を使用してログインします。
  3. 目的のアプリやブックを検索します。
  4. アプリやブックが見つかったら、購入する数量を入力します。
  5. MDM 経由でアプリの割り当て、取り消し、再割り当てを行うための配布方法を選択します。
  6. 企業のクレジット カード情報を入力して注文処理を完了します。
  7. VPP サイトから引き換えコード スプレッドシートまたは認証 sToken (s トークン/サービス トークン) をダウンロードします。

配布

アプリは MDM を介して、注文ベース (引き換えコード方式) とライセンス ベース (管理配布方式) のどちらかの方法でユーザーに配布できます。

配布方法

注文ベース配布 (引き換えコード)

注文ベース配布では、アプリの配布に引き換えコードを使用します。引き換えコードは MDM プロバイダによって個々のユーザーに割り当てられます。一度使用された引き換えコードは再利用できません。あるユーザーが引き換えコードを使ってアプリをダウンロードしたら、同じアプリをダウンロードする場合でも、他のユーザーはもうそのコードを使えません。この配布方法では、ユーザーがそのアプリをアンインストールしても、引き換え済みのコードは使用可能にはなりません。

注文ベース配布の使用方法

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注文ベース配布を使用するには、最初に VPP サイトから引き換えコード スプレッドシートをダウンロードする必要があります。このスプレッドシートには、購入した全アプリ/ブックの一意なコードの一覧が含まれています。このスプレッドシートはコードが引き換えられるたびに更新され、結果が引き換え済みコードの数などに反映されます。

以下は、引き換えコードを使用した注文ベースでの配布手順です。

  • VPP サイトから引き換えコード スプレッドシートをダウンロードします。
  • 引き換えコード スプレッドシートを AirWatch コンソールにアップロードします (アプリとブック > アプリケーション > リスト表示 > 購入済みアプリ > オーダーを追加)。AirWatch コンソールにアプリケーションのオーダーが作成されます。
    • このスプレッドシートの形式は .csv または .xls です。
  • 引き換えコード スプレッドシートを保存したら、AirWatch コンソールの プロダクトの選択 フォームに進みます。
  • 適切なプロダクトを選択します。
  • 引き換えコードを割り当てる組織グループおよびスマート グループを選択します。
  • 割り当てタイプを選択します。
    • 選択可能な割り当てタイプは 自動オンデマンド です。
      • 自動 - ユーザーにアプリのインストールを求めるポップアップ メッセージが表示されます。ユーザーは許可するか拒否するかを選択できます。インストールを許可した場合、Apple App Store からその購入済みアプリをダウンロードするために、ユーザーは各自の Apple ID とパスワードを入力するように求められます。これは Apple 社の要件です。直近で Apple ID とパスワードを入力していた場合は、入力を求められない場合もあります。iOS 7 以降の監視対象のデバイスでは、アプリのインストール許可を求めるメッセージは表示されず、すぐに Apple ID とパスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。
      • オンデマンド - ユーザーは AirWatch App Catalog または Workspace ONE を開き、インストール をクリックする必要があります。これにより VPP アプリのダウンロードが始まり、ユーザーは Apple ID とパスワードを入力するように求められます (前回 Apple ID を入力してから時間が経っている場合)。これは Apple 社の要件です。
  • 設定を保存し、公開 をクリックしてアプリを公開します。

割り当てタイプ自動 を選択した場合、iOS 5 以降のデバイスにおいてのみ、アプリが自動的にダウンロードされます。

注:未使用の引き換えコードはライセンスに移行することができます。移行を行うには、Apple 社に申請する必要があります。

ライセンス ベース配布 (管理配布)

「管理配布」とも呼ばれるライセンス ベース配布は、VPP 配布の中では注文ベース配布よりも新しい配布方法です。ライセンス ベース配布の場合、「sToken」 (s トークン/サービス トークン) と呼ばれる認証トークンを使用して、iOS 7 以降および macOS 10.9 以降のデバイスに MDM 経由で無料/有料アプリを配布できます。ライセンス ベース配布では、現在のユーザーが退職した場合やそのアプリが不要になった場合に、そのユーザーへのアプリの割り当てを取り消して、別のユーザーに割り当て直すことができます。ライセンス ベース配布を利用することで、組織は購入したアプリに対して確実な資産管理を実施できるようになります。さらに、ライセンスの割り当ては、ユーザー ベースとデバイス ベースのいずれかを選択できます。デバイス ベースの割り当てを選択した場合、iOS 9 以降または macOS 10.11 以降のデバイスに直接ライセンス コードを 割り当てることができます。これにより、購入済みアプリをインストールする際に、ユーザーは各自の Apple ID を入力する必要がなくなります。

ライセンス ベース配布の使用方法

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以下は、ライセンス ベース配布をセットアップするための手順です。

  • VPP サイトを開きます。
  • VPP サイトから sToken をダウンロードします。
  • Apple 社が提供する Web サービスにアクセスできるよう、sToken を AirWatch コンソールにアップロードします (アプリとブック > すべてのアプリとブックの設定 > カタログ > VPP 管理配布)。Apple 社は、Web サービスを使用して、ライセンスコードを管理しています。
  • ユーザー ベースの割り当てとデバイス ベースの割り当てのいずれかを選択します。
    • ユーザー ベースの割り当てを選択した場合、AirWatch からユーザーのデバイスに E メールまたはプッシュ通知で招待が送信されます。ユーザーはこの招待から、各自の Apple ID を使用して Apple 社の VPP ライセンス プログラムに参加します。
      • アプリとブック > すべてのアプリとブックの設定 > カタログ > VPP 管理配布 ページで 招待を自動送信する チェック ボックスをオンにしておくと、デバイスの加入と同時に招待が送信されます。
      • ユーザーが最初の招待で Apple VPP への参加に同意しなかった場合でも、アプリについては アプリとブック > アプリケーション > リスト表示 > 購入済み で、ブックについては アプリとブック > ブック > リスト表示 > 購入済み で、デバイス管理 オプションを使用して招待を送信し直すことができます。
    • デバイス ベースの割り当てを選択する場合は、アプリの割り当て画面で デバイス割り当てを有効化 をクリックします。
      • すべての購入済みアプリに対してデバイス ベースの割り当てを使用している場合は、アプリとブック > すべてのアプリとブックの設定 > カタログ > VPP 管理配布 > 招待を自動送信する を無効にすることもできます。これにより、ユーザーは各自の Apple ID を入力する必要がなくなります。
  • コンソールの ライセンスを同期 をクリックして、すべてのライセンスとそれに対応するアプリとを同期します。
    • これにより、ライセンス コードを使用して購入したアプリが追加されます。また、もともと引き換えコードを使用して購入し、後でライセンス コードを使用して購入し直したアプリも追加されます。
    • ライセンスの同期には次の 2 通りの方法があります。
      • すべてのライセンスと最近購入したライセンスの同期 - アプリとブック > アプリケーション > リスト表示 > アセットを同期 を使用します。sToken のすべてのライセンスを同期することも、前回の同期以降に購入したライセンスだけを同期することもできます。最近購入したライセンスの同期の方が、sToken に対応するすべてのライセンスを同期する必要がないため、短い時間で終わります。
      • アプリごとのライセンスの同期 - アプリのアクション メニューの ライセンスの同期 オプションを使用することで、アプリごとにライセンスを同期できます。すべてに目を通して同期が必要なアプリのライセンスを探す必要がないため、何千ものライセンスを管理しているような場合には、この機能が便利です。
  • ライセンス コードをスマート グループに割り当てます。
  • ユーザーのデバイスにアプリをインストールするための 割り当てタイプ を選択します。
    • 選択可能な割り当てタイプは 自動オンデマンド です。
      • 自動 - アプリはユーザーのデバイスに自動的にプッシュされます。
      • オンデマンド - ユーザーが任意のタイミングでアプリをデバイスにインストールできます。
  • そのアプリでユーザー ベースの割り当てを使用している場合、ユーザーは招待の内容に同意し、各自の Apple ID を使用してログインします。ユーザーがログインすると、そのデバイスは AirWatch コンソール サーバと通信を行い、アプリがインストールされます。

ライセンスの取り消し

ライセンス ベース配布では、割り当てたライセンスを取り消して、別のユーザー/デバイスに割り当てることができます。ライセンスの取り消しは、次の場合に発生します。

  • 加入解除
    • デバイスが加入解除された場合
    • デバイスが削除された場合
    • ユーザーが非アクティブになった場合
  • 以下の項目の削除
    • アプリ
    • sToken
    • 組織グループ (OG)
    • 割り当て
  • スマート グループへの変更

ライセンスとデバイス ID の詳細は、deviceapplication.vpplicense テーブルから取得できます。上記のいずれかのケースに当てはまる場合、取り消されるすべてのライセンスは、deviceapplication.vpplicense テーブルから deviceapplication.vpplicenseaudit テーブルに移動されます。ライセンスの取り消しは、スケジュール ベースで (定期的に実行されるジョブによって) 実行されます。

カスタム B2B アプリ

カスタム B2B アプリは、企業の特定業務用にサード パーティの開発元によって個別に開発されたアプリで、App Store には公開されません。これらのアプリは無料の場合と、開発元により価格が設定されている場合があります。

Apple VPP の管理配布が更新されたことで、これらのカスタム B2B アプリも AirWatch から iOS 7 以降および macOS 10.9 以降のデバイスに展開できるようになりました。無料のアプリも有料のアプリも、ライセンス ベース配布 (管理配布) を使用して同じように配布されます。パブリック アプリや他の購入済みアプリの場合と異なり、アプリの名前、アイコン、関連バンドル ID などのメタデータを自動的に取得することができないため、カスタム B2B アプリにはプレースホルダーが作成されます。これらのプレースホルダーに必要な情報を入力し終えると、そのアプリはアクティブになり、AirWatch で管理できるようになります。

sToken の継承

sToken の継承についての説明に移る前に、ライセンス ベース VPP での「継承」と「オーバーライド」という用語について理解しておく必要があります。

継承 - 自身の sToken を持たないサブ組織グループ (OG) は、メイン OG でアップロードされた sToken のすべてのプロパティを引き継ぎます。

オーバーライド - サブ OG は、固有の sToken をアップロードすることで、メイン OG よりも優先される設定を行うことができます。サブ OG では自身の sToken のプロパティを設定できるだけでなく、メイン OG でアップロードされた sToken のプロパティも引き継がれます。

カスタマーは、sToken をアップロードできる最上位の組織グループ タイプです。カスタマー組織グループ配下の組織グループはすべて、それぞれ 1 つだけ sToken をアップロードでき、カスタマー レベルでアップロードされた sToken のすべてのプロパティも引き継がれます。ただし、すべてのカスタマー組織グループで sToken のアップロードが必要なわけではありません。カスタマー組織グループが存在すれば、その配下の組織グループでは sToken をアップロードできます。

 3-Inheritance_Levels.png

  • 1 階層目
    • カスタマー OG には最初の sToken がアップロードされています。
  • 2 階層目
    • 子-1 - 子-1 OG には sToken がアップロードされています。この sToken は カスタマー OG の sToken のプロパティをオーバーライドします。カスタマー OG から継承されたアプリや VPP 設定とは別に、子-1 OG は独自のアプリ セットを管理できます。
    • 子-2 - 子-2 OG には sToken がアップロードされていません。カスタマー OG からアプリと VPP 設定のすべてを継承します。
  • 3 階層目
    • 孫-1 - 孫-1 OG には sToken がアップロードされていません。親にあたる 子-2 OG は カスタマー OG からアプリと VPP 設定のすべてを継承しているので、孫-1 OG もまた、アプリと VPP 設定のすべてを カスタマー OG から継承します。
    • 孫-2 - 孫-2 OG には sToken がアップロードされています。カスタマー OG から継承されたアプリや VPP 設定とは別に、独自のアプリと VPP 設定を管理できます。
  • 4 階層目
    • ひ孫-1 - ひ孫-1 OG には sToken がアップロードされています。この sToken は カスタマー OG の sToken をオーバーライドします。ただし、カスタマー OG のアプリと VPP 設定も引き継ぎ、そのうえで独自のアプリと VPP 設定を管理できます。
    • ひ孫-2 - ひ孫-2 OG には sToken がアップロードされていません。カスタマー OG と 孫-2 OG の両方からアプリと VPP 設定を継承します。

 

免責事項:これは英文の記事「Understanding VPP Process Flows」の日本語訳です。記事はベストエフォートで翻訳を進めているため、ローカライズ化コンテンツは最新情報ではない可能性があります。最新情報は英語版の記事で参照してください。

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